2003年12月26日 新潟市に対する2004年度予算要望

2004年度(平成16年度)予算編成についての要望

篠田市長の市民に信頼される市政を目指しての連日の健闘に心から誠意を表します。

就任から1年経ちました。この間、市民との対話を積極的に行ない、市政改革や合併に取り組み、市政改革創造推進プランを策定、実行し、法定協議会へ向けての13市町村の合併を取り付けるなど篠田市政は着実にその土台が出来上ってきています。一方で、公正取引委員会の立ち入り検査を受けるという不名誉な出来事もありました。今後は市民の信頼回復に全力を上げるとともに篠田カラーをより鮮明に打ち出しながら、市政発展に尽力して下さい。

来年度の地方財政計画では、歳出が3年連続マイナス、三位一体の改革ができず地方交付税も配分額が大幅に削減され、自治体に一段と歳出の抑制を迫る内容となっています。本市においても厳しい予算編成が強いられることとなります。小泉「改革」で市民生活は痛みをもたらされ、地方の経済や雇用は大変な状況から脱出できないでいます。

2004年度の予算編成にあたっては厳しい状況の中ではありますが、市民生活を第一に考え、市民起点で行政改革、福祉、環境、教育、文化、産業振興などに力点を置いた予算編成に取り組むことを要望します。私たちも市政発展に向けて市民とともに創りあげる新潟のまちづくりに取り組んで行きます。

以下、予算編成にあたっての重点的に取り組んでいただきたい項目について要望いたします。

2003年12月26日
民主党新潟県第1区総支部
代  表 西村ちなみ
新潟市議会改革ネット
クラブ長 中川征二


[1]市政改革について

  • 1.情報公開、市民参画をより一層徹底し、市民とのパートナーシップによるまちづくりに取り組み、分権時代にふさわしい市政を実現するために「新潟市市政改革・創造推進プラン」の実行を着実に推進されたい。

[2]行財政運営について

  • 1.行財政改革について
    • ア 三位一体の改革を行い地方の自立と独自財源が確保できるように各方面に強く働きかけられたい。
    • イ 自主財源の確保の立場から新たな税源確保策について積極的に検討するとともに、収納率向上に一層努力するとともに、地方債管理の徹底と適正化を積極的に推進されたい。
    • ウ 県事業の地元負担金の適正化について積極的に努力されたい。
    • エ 入札制度の改善を進めると同時に改善が地元業者の育成にも役立つように十分配慮されたい。
    • オ 建設事業コスト削減のため、計画・設計段階においてコスト意識に基づく建設計画づくりを推進されたい。
    • カ 財政出資団体の経営状況について情報公開を積極的に推進するとともに、自立的事業運営が可能な体質づくりの指導を徹底するとともに、事業補助金のあり方について抜本的に検討されたい。
  • 2.男女平等参画施策の推進について
    • ア 学校や幼稚園、保育園などにおける男女平等教育の充実を計られたい
    • イ 男女平等参画推進条例を早期に制定されたい。
    • ウ ドメスティック・バイオレンス(DV)対策について、相談体制やシェルターのさらなる整備等、法の実効性をあげるため積極的な施策推進に努められたい。
    • エ 女性センターの機能の強化を計られたい。
    • オ 女性政策決定へ参画するための条件整備を進め、女性の管理職登用を大胆に推進されたい。
  • 3.住民基本台帳ネットワークシステムについて
    • ア セキュリティ対策に万全を期して個人情報保護に努められたい。
  • 4.一般行政職採用における国籍条項を廃止されたい。
  • 5.電子自治体実現と地域情報化推進のための施策確立について積極的に努力されたい。
  • 6.行政評価委員会制度を見直し、行政に関する苦情を簡便な手続きで受け付け、調査・処理するとともに、行政執行の改善について市長に勧告する権限を有する本格的なオンブズパーソン制度を創設されたい。
  • 7.住民投票条例制定について検討されたい。
  • 8.電子投票制度の導入を検討されたい。
  • 9.公益通報者保護条例づくりの検討を進められたい。

[3]広域合併と政令指定都市化にむけて

  • 1.法定協議会での早期の同意と13市町村の合併の早期実現に向けてなお一層の努力をされたい。
  • 2.政令指定都市構想の推進にあたっては、関係市町村との研究・協議の状況を市民に明らかにするとともに、市民に期待に応える方向として十分な説得力と具体性をもった政令指定都市の理念・施策を市民に提示し、区割りにあたっては市民の理解と納得を得て実施されたい。

[4]保健・福祉施策の一層の充実に向けて

  • 1.新市民病院建設計画について、地域中核医療機関としての質的強化、療養環境の改善等も含め、市民の期待に応えられる病院となるよう建設計画を積極的に推進されたい。
    アクセスのための交通対策、院外薬局対策等周辺整備についても万全を期されたい。
  • 2.介護保険について
    • ア 在宅介護サービスの充実と利用促進を図ることによって、施設介護依存を減らす立場からの積極的な対策を講ずるとともに、保険者として主体的な制度改善やサービス改善に努力されたい。
    • イ 特別養護老人ホーム等への入所待機解消を図るため、施設整備を積極的に推進されたい。
    • ウ 低所得者に対する介護保険料の負担軽減を図るための対策を講じられたい。
    • エ 介護支援事業者・サービス提供事業者のサービス評価のための体制を確立するとともに、福祉オンブズパーソンを設置されたい。
  • 3.成人後見制度、配食サービスの充実、要介護判定で自立と判定された高齢者の健康状態を維持するための支援施策や相談体制の充実等、福祉サービスの拡充を図られたい。
  • 4.地域全体で独居老人や高齢者のみ世帯等を支えあう地域福祉の推進体制づくりに積極的に取り組まれたい。
  • 5.子育て支援施策について
    • ア こどもセンターの新設、地域子育て支援センターの拡充、こども課の新設などに努められたい。
    • イ ゆとりのある放課後児童対策を推進するため、ひまわりクラブの施設改善と増設に積極的に取り組まれたい。
    • ウ 地域における児童健全育成の拠点として、児童館、プレイパーク等を積極的に整備されたい。
    • エ 児童虐待防止の実効性をあげるため、研修会の開催や児童虐待防止対策協議会の機能化にさらに努力されたい。
  • 6.バリアフリーのまちづくりをさらに強力に推進されたい。
  • 7.ホームレスの増加に対応し、きめ細かな対策を講じられたい。

[5]経済対策・雇用対策について

  • 1.雇用安定策とあわせて、新産業創造と雇用創出が連動する施策の策定等について積極的に取り組まれたい。
  • 2.リストラに名を借りた安易な解雇を防止するための指導・労働相談の対策を強化されたい。
  • 3.不況の長期化や構造改革の深刻化によって中小企業経営はますます厳しいものとなっていることから、制度融資の拡充や銀行の貸し渋りに対する指導強化等、小企業に対する支援施策を充実されたい。
  • 4.郊外型ショッピングセンターの進出による中心市街地や商店街の衰退に対する積極的な対応策(TMO事業などの活性化対策)を検討されたい。
  • 5.農業振興について
    • ア 「食料・農業・農村基本法」にもとづき、食料自給率の向上や、様々な作物の適地適産、環境保全型農業の推進等、積極的かつ総合的な農業振興施策を策定し、推進されたい。
    • イ 「生産者の自由意思」を前提とした減反政策への抜本的転換を図るため、国・県に対して積極的に働きかけられたい。
    • ウ 「地産地消」を推進するため、生産者の組織化、生産者・消費者をつなぐ供給・消費ルートの創設、地場産品販売店への支援策の検討等、積極的に推進されたい。
    • エ 有機農業を積極的に推進するため、認証制度の創設や販売ルートづくり、支援施策等に取り組まれたい。

[6]教育・文化行政の積極的推進について

  • 1.いじめや非行、不登校や学習不適応、学級崩壊、集団暴行等の児童生徒の抱えている問題解決のためのカウセリングの充実等も含めた施策・体制の充実に努力されたい。
  • 2.子どもの安全確保、学校の安全対策に十分な措置を講じるように努められたい。
  • 3.ゆとりのある教育を推進するため、小中学校の30人以下学級実現にむけて補助教員の確保をはじめとした教職員の増員等について、県に対して積極的に働きかけられたい。
  • 4.新学習指導要領による、いわゆる総合学習を実りあるものとするため、地域の人々とともにつくりあげる体制づくりに努められたい。
  • 5.中学校給食ついては、試行結果を踏まえて万全の実施体制を確立されたい。
  • 6.中央図書館の早期建設に努められたい。
    多様化高度化する図書館ニーズに応えるため、利用者のニーズ把握と機能充実に努められたい。

[7]環境対策の強化について

  • 1.循環型社会に向けてごみの減量化、資源サイクルの促進に努められたい。
  • 2.総合的な温暖化対策、環境保全対策を積極的に推進されたい。
    ダイオキシン類の排出規制、環境ホルモンの検査体制の充実、パークアンドライドシステムの検討、コジェネレーション・太陽光・風力等を利用した発電システムの導入の検討等
  • 3.海岸保安林の整備促進、とりわけ、松海ガ丘・真砂地先の公有化と植林について積極的に努力されたい。
  • 4.佐潟公園整備にあたっては、環境団体や専門家の意見を最大限尊重し、自然生態系を維持することを基本とした計画を策定し、推進されたい。
  • 5.水辺空間の整備などの環境保全に積極的に取り組むようにされたい。

[8]都市基盤整備について

  • 1.雨水排除対策と公共下水道事業の推進について
    • ア 湛水常襲地域を解消するため、透水性舗装の拡大や雨水桝の設置、背割排水路の改修等のきめ細かな対策を推進されたい。
    • イ 公共下水道事業については雨水排水対策を重視した事業展開を図るとともに、未整備地域での一層の事業促進に努められたい。
      また、起債残高が2000億円を越える下水道事業の現状と将来の市民負担等も考慮し、今後の普及率拡大のあり方や企業会計化も含め、組織・財政・事業展開について抜本的に検討されたい。
  • 2.新潟駅連続立体交差事業及び駅周辺整備事業について
    • ア 早期着工にむけて、国・県に対してさらに積極的に働きかけられたい。
    • イ 連続立体交差の基本計画、周辺整備計画の具体化を急ぎ、市民の意見や要望を取り入れた事業計画とするため、市民が計画策定に積極的に参画できる体制づくりを積極的に進められたい。
      また、ユニバーサルデザインを重視した計画となるよう配慮されたい。
  • 3.新潟空港の整備について
    • ア 滑走路の3000m化などの空港整備については、空港騒音問題に関する長年の住民との対立を解消し、周辺住民との共生を基本とする整備方針を確立するよう、県への働きかけを強められたい。
    • イ 地方拠点空港としての機能・施設の整備を推進するとともに、新規空路の拡大に積極的に取り組まれたい。
    • ウ 新潟空港共生懇和会の「空港周辺地域の街づくりに関する構想」の具体化に向けて積極的に取り組まれたい。
    • エ 航空機騒音対策地域の拡大について、国に積極的に働きかけるとともに、非対象地域に対する騒音防止対策の実施についてさらに努力されたい。
  • 4.港口部ルート全線の早期完成に向けて、国への働きかけを強められたい。
  • 5.万代島ルート線の事業促進に努力されたい。
  • 6.松浜橋上流橋の架橋促進について
    新潟東道路の事業化と松浜橋上流橋の架橋について、積極的に国・県に働きかけられたい。

[9]その他の重要課題について

  • 1.総合的交通政策の確立について
    • ア 道路整備中心の交通政策を改め、公共交通重視と車両流入規制等を含めた交通混雑緩和対策を基本とした総合的交通政策を確立されたい。
    • イ 中心市街地活性化対策について、パークアンドバスライドやオムニバス構想導入等交通対策をしっかり位置付けて積極的に推進されたい。
    • ウ 空港アクセスについては、臨港線を活用した軌道整備を基本に検討されたい。
    • エ 新交通システムや超低床路面電車(LRT)、バス、JR線などの効率的な組合せによる公共交通機関ネットワークの整備促進に努められたい。
  • 2.アイススケートリンクの建設についての検討をされたい。