************************************** 西村ちなみメールマガジン第15号(2005年2月14日発行) 「政治とカネをめぐる問題」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村智奈美です。 先週の衆議院予算委員会で行われた、政治とカネの問題をめぐる集中審議。テレビなどでごらんになった方もいらっしゃると思います。与野党間の議員運営委員会理事懇談会で、予算委員会での集中審議を1日だけ行うことで合意し、ようやく実現にこぎつけたものでした。 朝から始まった審議は、自民党議員からの質問でスタートしました。この議員は、民主党の2議員について政治とカネの問題を作り上げ、それについて自分の持ち時間をつかって、一方的にまくしたてたのです。何が不正なのか、どうして不正なのか、まったく語らないまま、不正だ不正だといい続ける、奇妙な質問風景でした。 政治とカネは、古くて新しい問題です。多くの問題が明らかになるたびに法の改正が行われてきましたが、どれも不十分なものだったのでしょう。問題発生は後を絶ちません。しかもその額は一般社会とはあまりにかけ離れたもので、どこか現実離れしているように感じられてならないのです。 「政治には金がかかる」とは、国会周辺でもよく耳にする言葉です。確かに、市民の皆さんと対話をしたり、議員として活動したことを市民の皆さんに知っていただくために広報活動をしたり、政策立案のための調査活動をしたり…など、議員としての活動をしていくうえではある程度の費用がかかります。この点においては、「政治には金がかかる」ということができるでしょう。しかし時々私は考えるのです。「政治に金がかかる」という言葉が、旧い政治を続けていくための免罪符として使われることもあるのではないか?と。むしろ私は、「金のかからない政治」をつくるために努力することが必要なのだと思います。 私の後援会「智水会」では、会員の皆さんから、一口3000円という会費をいただいています。県議の頃からこの金額は変わっていません。お一人お一人から、たいへん貴重なご厚志をいただいて会の活動は成り立っています。使わせていただくにはあまりにもったいないという気持ちですが、いただいた貴重なお金だからこそ、事務所スタッフと細心の注意で大切に使わせていただいております。 なぜこういうふうに思うことができているかといえば、それは、会費や寄付を寄せてくださった方々のお顔が「見える」からだろうと思うのです。会費は暦年でお願いしておりますので、新潟でいえば冬、寒くなる時期に、会費納入のお願いと振込用紙が送付されることになります。寒い時期にわざわざ郵便局へ行くなどして会費を納めてくださる方々の足音が聞こえるといっても言いすぎではないかもしれません。お金に色がついているといったらおかしな言い方かもしれませんが、そうやっていただくお金の色は、雪のように真っ白のような気がするのです。 国会での政治とカネをめぐる議論は、まだまだ続きそうです。
メールマガジン
第14号「二つの美術館」(2005年2月7日発行)
************************************** 西村ちなみメールマガジン第14号(2005年2月7日発行) 「二つの美術館」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村智奈美です。 土曜日、私は、二つの美術館、東京駅のステーションギャラリーで開催されていた長野県上田市にある「無言館」の出張展と、雪に覆いつくされた十日町・妻有郷のミティラー美術館を、見てくることができました。今日はこの二つの美術館に関して書いてみようと思います。 朝は「無言館」です。 東京駅周辺には、大きな荷物をぶらさげた人、待ち合わせをする人など、大勢の人が往来していました。風は冷たいのですが乾燥しています。レンガ造りの壁を眺めながらステーションギャラリーに入ると、入場券を自動販売機で買い、荷物をロッカーに入れてから入る仕組みになっていて、他の美術館と変わらない風景です。ギャラリーに入る人たちの流れに吸い込まれるように、私も入場券を買いました。 「無言館」は、戦没画学生が残した絵や彫刻を窪島さんという館長さんたちが集めた美術館です。創作物だけではなく、いわゆる戦地から家族にあてて送った手紙や日記や、使っていた絵の具などが展示されています。小さなギャラリーですが、30〜40人くらいの人がいたでしょうか。熱心に作品を観たりキャプションを読んだりしていました。 戦後、日本の平和教育は、戦争体験の伝承と戦争の悲惨さを語り継ぐことを中心に行われてきたといわれています。本物の平和教育は、そうした経験を語り継ぐだけでなく、悲惨な体験を自分のこととしてとらえた上になお積極的に平和をつくるため行動するものであり、本来であれば体験伝承のうえに成り立つべきものでしょう。しかし戦後60年を迎える昨今、伝承そのものが難しくなってきています。無言館などが果たす役割は決して小さくないと考えるゆえんです。 無言館の作品たちは、私にはどうも「生きている」と感じられてなりませんでした。絵は、無言のまま、しかし圧倒的な存在感で、何かを私たちに語りかけてきています。それが何なのかは分かりません。生きたかった、描きたかった、そういう作者の思いというよりは、「生」そのものがもつ力強さや尊さではないか。そう考えながら、私はギャラリーを後にしました。外に出たら、依然として空気は冷たく、乾いていました。 夕方は「ミティラー美術館」です。 越後湯沢駅で新幹線を降り、「ほくほく線」に乗り換える頃、雪はかなり降っていました。美佐島という無人駅で降り、迎えにきてくださった佐藤さんの車に乗って美術館へ向かう道中、私は自分の身長の2倍ほどの高さまで積もった雪の壁と遭遇しました。通り過ぎる車が2台あっただけで、人の姿や家にともった灯かりも見えません。美術館のかなり手前で車から降り、雪道を歩いて美術館へと入りました。 ミティラー美術館は、インドのミティラー画やワルリー画などを収集した世界でも屈指のインド芸術の美術館です。館長の長谷川さんは十日町市から閉校した小学校の校舎を借り、美術館を運営してきました。それが、新潟県中越地震で作品に被害が出、また建物そのものの被害もあって、現在は閉館中。2月23日の再オープンを目指して修復にとりかかりましたが、雪掘りでそれどころではなくなった、ということです。 長谷川さんはストーブを前にして文化の重要性を語ってくださいました。私はストーブの火で足を暖めながらそのお話に耳を傾け、相当の部分について同調しながらも、このさき「雪国の暮らし」というものはどうなっていくのだろうか、ということを考えていました。春や夏はとても美しい妻有郷。私たちがその夏を楽しむことができるのも、冬の暮らしを引き受けてくださる住民の方々がいらっしゃればこそ。しかし現実に冬の暮らしを雪の中で営んでいる人たちは、雪掘りに追われ、体力を使い果たし、場合によっては雪によって命さえ落としてしまうのです。 帰り道、無人の美佐島駅に定時に電車はやってきませんでした。遅れてやってきた電車に乗ったところ雪崩のため六日町でいったん降り、除雪をまって上越線の電車に乗りましたが、走行中にパンタグラフの雪のため停電。発車しようとしたところ電車前にたまった線路上の雪のため1時間以上停車。 雪国では本当に諦観思想でなければ生きていけないのでしょうか。そんなことを考えながら新潟市に帰ると、路面にはまったく雪がないのです。1日のうちに季節を3つくらい経験しました。
第13号「異例のスタート」(2005年1月31日発行)
************************************** 西村ちなみメールマガジン第13号(2005年1月31日発行) 「異例のスタート」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村智奈美です。 いよいよ第162通常国会の本格的な論戦がスタートしました。先週24日のメルマガでは、衆議院代表質問前の様子をお伝えしましたが、その後の質問は異例づくめの展開となりました。民主党の岡田代表が論戦の口火を切り、それに対する小泉総理の答弁が不十分であったため再質問を行いましたが、総理は答弁拒否。その総理に対して議長の「総理は誠意をもって答弁するように」という注意があったのも前代未聞ですが、その注意に対して総理が「私は誠意をもって答弁しています!」と議長の言葉をけとばしたのも異常でした。この国会、波乱含みでスタートしました。これからどうなるのか不気味な感じすらします。 さて衆議院では、補正予算の審議が行われ、先週金曜日に全会一致で可決されました。この補正予算に関して提出されていた法案は、地方交付税の増加ぶんを処理するための法律が一本だけということで、委員会としては総務委員会で審議が行われるのみです。合計1時間10分の審議時間、そのうち30分を、私が質問することになりました。質問することが決まったのが26日の夕方。その2日後に質問。いつもそうなのですが、「質問は急に決ま」ります。私は地方交付税の繰越とあわせて、補正予算にも関連する災害対策、とりわけ壊れた家屋の修復への支援を定めた、被災者生活再建支援法の改正案について、議論をすることにしました。 被災者生活再建支援法は、阪神・淡路大震災の後に制定された、被災者の行う住宅再建に国と地方がともに支援を行うための法律です。住宅再建のためというと、壊れた住宅を建て直すための支援かとイメージするのですが、法律的には、住宅本体の修理・建築費用にあてることはできず、がれき撤去費用やローンを組むときの利子への支援にとどめられています。また、被災者の年齢や年収による要件が定められており、たとえば45歳未満で年収501万円以上の人は受けることができないなどのしくみになっています。そして、支援を受けることができるのは「全壊」の世帯のみで、「半壊」の世帯は対象外となっています。新潟県では全壊の世帯が2867棟ですが、半壊の世帯は11122棟、圧倒的に半壊の世帯が多くなっているのです。法律はあっても、支援を実際に受けることができるのは限られてしまう。これではせっかく作られた法律も生きてきません。 この支給要件を緩和し、半壊の世帯も対象にして、支給限度額を300万円から500万円に引き上げるという法案を、民主党は他の野党とともに提出しました。自民党の中に賛成してくださる議員も多く、全国知事会や地元自治体・議会からも要望があり、世論調査などでも改正は妥当という声が8割にも上っている内容です。しかし本会議や予算委員会などでの総理・担当大臣の答弁は、一貫して、①住宅本体という個人資産に公的助成を行うのは妥当ではないという考え方がある、②耐震化や地震保険の加入促進など自助努力を促すことを損ねるという考え方がある、という理由で、さらなる支給額の上乗せなどは難しい、というものでした。 私はこの点を質問しました。①の考え方も、②の考え方も、根拠のない言い逃れにすぎません。そのことを質疑の中で問い質しながら、被災者の気持ちにたった支援をと訴えたのですが、満足のいく答弁を得ることができませんでした。本当に残念です。しかし必ずや国民の皆さん賛同をいただける改正案だと思っていますので、粘り強く取り組んでいきます。
第12号「日米演説の違いは」(2005年1月24日発行)
************************************** 西村ちなみメールマガジン第12号(2005年1月24日発行) 「日米演説の違いは」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村智奈美です。 先週金曜日から第162通常国会が始まりました。今回の通常国会で民主党は、子ども、アジア、地域をキーワードに、論戦を挑み、改革を迫っていきます。大きな争点として、年金介護など社会保障制度、政治とカネ、憲法改正、少子化、郵政民営化などが挙げられます。金曜日の施政方針演説に続いて、今日は岡田克也代表と小宮山洋子ネクスト大臣が代表質問に立ちますので、ぜひ応援してください。 通常国会の初日21日は、小泉総理の施政方針演説につづいて、外交・財政・経済に関する演説がそれぞれの担当国務大臣から行われました。4人で合計約1 時間半にも及ぶ演説です。これまでですと、与党側からの賛同の声や拍手と、野党側からの反対の不規則発言で、議場はかなり騒がしくなるのですが、今回は様相が異なりました。小泉総理が演説を始めても、与党席は水を打ったように静かで、拍手が全くおこらないのです。小泉総理の原稿を読む声も、就任当初の絶叫とは180度転換し沈んだ調子になっていました。 演説原稿は本会議場で配布されますので、私たちもそれを手元において、見ながら演説を聞きます。A4縦書きで19枚になる原稿の5ページ目から7ページ目までが郵政民営化についてでした。総理がこの通常国会で何としても成し遂げたいと熱意を見せている唯一の政策です。しかし与党席からは何の音沙汰もなし。「民営化紙芝居」をやった議員も静かに座っています。「北海道が道州制に向けた先行的取り組みとなるよう支援」というフレーズのところで拍手をした議員もいましたが、おそらく北海道選出の方と思われます。 さて演説も中盤。総理の演説は淡々と続いていますが、与党席は完全にそっぽを向いています。これは嵐の前の静けさなのだろうか、それとも単なる惰性だろうか、と考えていたそのとき。滞っていた空気を破るような、勢いよく叩かれる手から発せられる音が、唐突に議場に響き渡りました。この拍手の主は誰かと振り返ってみると、それは、自民党の武部勤幹事長でした。轟きわたるクリアな音と、武部幹事長の憮然とした表情がミスマッチで、議場からは失笑が漏れています。その後もさしたる反応もないままに、総理の演説は終了しました。 日本の総理が国会で施政方針演説をしたのと同じ21日(日本時間)、アメリカでは、ブッシュ大統領が第2期の大統領就任演説を行っていました。このニュースは米国ばかりでなく関心をもっている全世界に配信され、日本でも内容について詳しく報道されていたのは皆さんご存知のとおりです。私もまたブッシュ大統領がどういう内容の演説をするのかと注目していた一人です。先週18日、北朝鮮を訪問した米国の下院議員団が、大統領就任演説か一般教書演説に自分たちの訪朝の成果を反映させたいと語っていましたが、つまりそれは大統領の演説が非常に重要なものであるということの裏づけでもあります。演説とは、それほどまでに重要なものなのだと思います。 小泉総理の演説は、全世界に配信されたのでしょうか。インターネットで全世界の有名紙を覗いてみましたが、重い取り扱いはされなかったようです。マスコミの報道姿勢によるものなのか、それとも内容の差によるものなのか…。ブッシュ大統領の演説と小泉総理の演説。国内的なインパクトも、国際的なインパクトも、あまりに違うところに、私は、戦後続いてきた55年体制の限界を見る思いがしています。 ところでこの通常国会では、内閣提出法案と民主党提出法案をあわせて約100本の法律案が審議される予定です。民主党として予算案も現在作成中であり、今月中には発表できる見込みです。また近いうちにご報告したいと存じます。 それでは本会議に行ってきます。またお会いしましょう。
第11号「10年」(2005年1月17日発行)
************************************** 西村ちなみメールマガジン第11号(2005年1月17日発行) 「10年」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村智奈美です。 今日17日は阪神淡路大震災から10年目の日。10年前、上空を飛ぶヘリコプターのカメラから映し出された、燃えさかる神戸の街のテレビ映像に、呆然と見入っていたことを昨日のことのように思い出します。尊い命を瞬時に失う災害の脅威。そしてそこから復興する人間のエネルギー。被災されたみなさんにとっては、1日1日がとても重い10年だったのではないでしょうか。 未だ復興が半ばではありますが、今日は阪神淡路大震災で犠牲となられた方々を心静かに追悼したいと存じます。 今週金曜日から第162通常国会が開会します。来週のメルマガは通常国会での論点などについてご報告いたします。
第10号「象徴天皇と公務」(2005年1月11日発行)
************************************** 西村ちなみメールマガジン第10号(2005年1月11日発行) 「象徴天皇と公務」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村智奈美です。 通常国会の開会を21日に控え、1月上旬は新潟中心の生活を送っています。 今日は宮内庁から招待を受け埼玉鴨場にて鴨の捕獲を行ったのち、民主党本部で行われる岡田代表の記者会見の進行役をつとめることになっています。春と秋の2回行われる園遊会と、鴨の捕獲、1年のうち合計3回、衆参議員に毎回30名程度の招待があり、民主党には13名ほどの割り当てとなります。まったく行かない人もいますが、私は春の園遊会に続いて、2度目のご招待を受けることになりました。 天皇制は、どのような経過があったのかいまだに明らかになっていない部分がありますが、戦後はいわゆる「象徴天皇」として存続してきました。近年はとりわけ政治的にではなく文化的な位置づけとしての側面が濃厚になってきています。現在の天皇制および皇族が多くの国民から受け入れられていることは世論調査などからも明らかなことであり、それはそれでよいと私は考えます。 ところが、男子万世一系という物語に固められた天皇制を維持するため主役を演じてこなければならなかった天皇家の心理状況については、これまであまり語られてきませんでした。秋篠宮が「受け身的」と口にした公務の多忙さについても同様です。私としては、今の皇室に対して、同情の念を禁じえないというのが本心です。政治的発言は行うことができず、皇位継承者の維持というプレッシャーが常に存在し、しかも公私の別ない生活を余儀なくされているのですから。 現在は男性のみに限られている皇位継承者を、女性にも広げるためには、皇室典範を改定すればできることであり、比較的簡単なことといえます。政府では首相の私的諮問機関がこの分野でも設置され、初会合が今月中にも開催されるのだとか。その有識者会議の狙いは「皇位継承者の安定的な維持」ということであり、いわゆる女性天皇の是非を主要な検討課題として位置づけているという報道です。男女平等を謳い文句に、女性天皇容認の方向性が出てくるのは時間の問題といえるでしょう。 しかし、皇室をめぐる課題は、女性天皇を認めるだけで解決できるでしょうか。むしろ、女性天皇を認めることで、雅子妃殿下と愛子内親王にこれからどんな生活が待っているのかを考えると、このタイミングで容認することが良いのかどうか、判断に迷うのです。 新しい時代に即した公務のあり方を探ることは、皇太子の発言、そして天皇陛下の発言によって、皇太子と皇太子妃の二人に委ねられた形となりました。私は、これを、二人にだけ与えられた役割ではないと受け止めています。これからの日本と日本人の行く末を見通した高い精神性を伴うものでなければなりません。たいへんに難しい問題であり、短期間で解決できるものとも思えませんが、そういう問題意識だけは持ち続けたいと思うのです。 みなさんのご意見をお聞かせください。
第9号「今年もよろしくおねがいいたします」(2005年1月5日発行)
************************************** 西村ちなみメールマガジン第9号(2005年1月5日発行) 「今年もよろしくおねがいいたします」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさま新年あけましておめでとうございます。衆議院議員の西村智奈美です。昨年の新潟は夏の参議院選挙後の水害、秋の知事選挙後の地震と、自然災害に見舞われた年でした。今年は復興元年、そして新潟市にとっては近隣市町村との合併で新しい新潟のあり方を作り上げるスタートの年です。知恵を結集しつつ工夫をこらしてがんばります。また今年も政権交代に向けてトップギアで走り続けます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 さて昨年はメールマガジンを刊行したものの、生来の筆不精のためかなり不定期な発行を続けてまいりました。今年は心機一転、毎週月曜日の発行(月曜日が休日のときは火曜日)を皆さんにお約束いたします。どうぞご期待ください。また質問などもお寄せいただければ幸いです。 私は今年も民主党でネクスト副大臣(男女共同参画担当)および男女共同参画政策調査会の事務局長をつとめることになりました。これから21世紀の国際社会で日本が発展を続けるために、基本法で「最重要課題」と位置付けられている男女共同参画社会の実現が求められています。政府においても内閣府の中に「男女共同参画局」が設置されており、官房長官が担当大臣として任にあたっているところです。民主党では、いわゆる「政策系」の調査会と「運動系」の委員会とが設置されており、それぞれ連携しながら取り組みをすすめています。私は「政策系」の事務局長と、「運動系」の副委員長を務めています。「政策系」の会長は小宮山洋子衆議院議員、「運動系」の委員長は水島広子衆議院議員で、ともに良い関係で仕事をさせていただいています。 昨年の12月の上旬、「運動系」の男女共同参画委員会の調査旅行で韓国へ行ってまいりました。慌ただしく出発したのは前号のメールマガジンからご賢察いただいたとおりです。ここ数年、韓国では選挙や政党に関する法律が次々と改正され、女性国会議員が飛躍的に増加しました。その謎を探るため、たいへんな強行スケジュールでしたが、10名の議員と党職員とで見てまいりました。 現地では、政府の女性部(日本で言えば女性省)、国会の女性委員会(常任)、政党ではウリ党・ハンナラ党・民主労働党など、そして学術では梨花女子大学という女性学の国際的な拠点で、それぞれトップの方とお会いし、意見交換してきました。儒教社会の影響が強く残ると思われる韓国で、パワフルに活動する女性の皆さんや女性政策の必要性を静かに語る男性に数多くお会いすることができ、私たちはたいへん触発されました。 韓国では合計特殊出生率が低迷を続けています。ITなどを積極的に活用して経済活性化をはかっていますが、アジア通貨危機の記憶はまだ生々しいものがあるようです。「韓流」ブームで国内事情を見落としそうになりますが、韓国の経済はまだまだ本調子ではないのです。そうした中で、女性の人材活用が必要だという合意形成がなされました。女性運動団体などの強力な後押しもあったためでしょう、比例区の拘束式候補者リストの奇数順位には女性を載せる法律改正が 2002年に行われました。今、韓国では女性政策を語らない議員は、男性女性を問わず選挙で不利になると言われているそうです。 韓国のこうした政策的な動きの特徴は、一言で言えば「スピード」に尽きると思います。日本では政策である程度の方向性が出ても、それが動きはじめる、法律ができて本当に取り組みが進む、という段階に移るまではかなり時間がかかるように思われます。万全の体制を整えて、問題が起きたときにもどう対応するかきちんと細かなところまで議論してからでないと、物事は始まらないのです。ところが韓国は違いました。韓国では、方向が決まったら一瀉千里で進み、問題が起きたところで対応を考えるという前提でスタートする、大胆に言えばそういうスタイルなのではないでしょうか。 こうした政策への取り組み姿勢の違いは、ものの考え方から生じるのでしょう。どちらが良いか、どちらが優れているか、これは一言で言えるものではないと思います。しかし、激動の時代が必要としているのは、やはり、スピードある決断と実行なのではないでしょうか。韓国を見てきて、あらためて私は日本で鋭い時代感覚と危機感が欠如していることを、まざまざと見せ付けられたのでした。このままでは日本はどうなってしまうのか。古い政治を惰性で続けていては、将来は切り開けないのではないか。久しぶりに海外から日本を見て、あらためて政権交代の必要性を痛切に感じました。 毎週月曜日朝の定例街頭国政報告は、今年も続けてまいります。4日は火曜日ですが、年頭のご挨拶を兼ねて朝7:45から東大通交差点前で元気にマイクを握ってまいりました。今年もがんばります。どうぞみなさまにとっても健康な良い年でありますように。またお会いしましょう。
第8号「第161臨時国会を振り返って」(2004年12月6日発行)
************************************** 西村ちなみメールマガジン第8号(2004年12月6日発行) 「第161臨時国会を振り返って」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村智奈美です。 先週金曜日、第161臨時国会が閉会しました。イラク自衛隊派遣延長問題、年金改革、政治とカネ、そして災害への対応など、臨時国会ながら、と言うべきか、臨時国会だから、と言うべきか、大きな問題が山積みとなっていた国会でした。しかし終わってみれば、成し得たものは何一つないようです。民主党はイラク自衛隊派遣法廃止法案と年金抜本改革推進法案と政治資金規正法改正法案を提出しましたが、どれも審議も採択も行われませんでした。新潟県中越地震に関しては、せめて復旧費用を予備費にとどまらず補正予算を組むところまで進めたかったのですが、これも通常国会まで先送りとなってしまいました。国民の皆さん、被災関係者の皆さんに申し訳ない思いでいっぱいです。 三位一体改革もまたまた中途半端に終わってしまいました。地域が主役、地域住民が主役の社会をつくるためには、早急な税財源の移譲は不可避です。地方六団体が身を削るような思いでまとめた地方案を本当に小泉首相は「真摯に受け止め」たのでしょうか。補助金という仕組みは温存したまま、補助率の引き下げということでお茶を濁して今年も終わってしまいました。数字のつじつま合わせばかりしていたのでは本当の地方分権は進みません。民主党の中でも地方財政改革などの政策の細かな部分について調査研究を続けています。押し付けではない、一人でも多くの顔が見える地方自治を、地方自らの手で作っていってもらえる国のかたちを基本理念に、これからも参画していくつもりです。 さて私はこれから韓国ソウルへ行ってまいります。民主党男女共同参画委員会の党務で、昨年夏のユンスック・リーさんとの出会いから企画してきた訪韓調査、政党法などを改正するなどして国会議員における女性の比率を増加させてきた韓国の現状を民主党の仲間とともに現地視察してまいります。前号メールマガジンでは、今回は男女共同参画調査会についてお話する予定と書きましたが、韓国報告とあわせて次号にさせていただくこととします。 そろそろ空港へ向かう時間が近づいてまいりました。今回は短いメールですみません。それでは行ってまいります。
第7号「新潟県中越地震」(2004年11月18日発行)
************************************** 西村ちなみメールマガジン第7号(2004年11月18日発行) 「新潟県中越地震」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村智奈美です。 冒頭、新潟県中越地震で被災された皆様、ご友人やご親戚などが被災された皆様、心からお見舞いを申し上げます。またお亡くなりになられた方々のご冥福を心からお祈りするとともに、ご遺族の方へ心からお悔やみを申し上げます。 被災地面積の広大さ、農林水産業への打撃の大きさ、雪の季節が間近という切迫感、中山間地農業が曲がり角にあるという現実、いまなお余震が続いているという地震のエネルギーの大きさ。農山村型地震という新たな災害の発生です。ようやく7・13水害から復興の目途が立ち始めた新潟県に、今度は大きな地震が襲ってきました。 私も10月25日に岡田代表とともに現地へ視察に入ったのを皮切りに、現地視察や避難所激励や救援物資運搬ボランティアのため数日を被災地で過ごしてまいりました。到底すべての被災現場を回り、避難されている皆さんのお声をすべて聞いたわけではありませんが、現地に行くたびに、胸に詰まるものがあります。人情あふれる山間の村の人々がなぜ住む家を後にして避難所生活をしなければならないのか。なぜあの美しい棚田が見る影もなく崩れてしまわなければならないのか。そしてなぜ、亡くなる人が後を絶たないのか。心の中に、悲しみが積み重なっていきます。 私は今月、総務委員会と農林水産委員会とで、短い時間でしたが地震関連の質問を行いました。2回の質疑を経て、地方対中央、財務省対その他の省庁、という図式が、今回の地震でも出来上がりつつあることを、肌で感じています。阪神・淡路大震災のときとは異なるタイプの震災、それを何としても復旧・復興するのだという前向きで力強い姿勢が、いまの永田町・霞ヶ関には感じられません。 大袈裟な言い方かもしれませんが、新潟の日本の、美しい原風景・心の故郷を、将来にわたって残すことができるかどうか、まさにここが正念場です。私は、森林に親しみを感じる人が9割にものぼるという実態、農山村で休暇を過ごしたいというニーズが都市住民を中心に増加しているという実態からしても、魚沼産コシヒカリ、錦鯉、闘牛、きのこなどの特産品をもつ被災地を復興することは、日本全体としても必要なことだと思っています。そのときには今まであったものをそっくりそのまま復旧するのではなく、新しい発想での復旧・復興策が必要になるでしょう。お金をかけるだけでなく、知恵を出さなくてはなりません。 私はいま、激甚法など従来ある法律の枠組みの中で、復旧復興のためカバーできるものと、できないものの仕分け作業を行っています。まだ被害実態の全容が明らかになっていない中で、暗闇を手探りで進むようなものですが、法制局や県などいろんなところの知恵と力をお借りしながら、立法府としての役割を追求していくつもりです。 昨年11月9日の第43回総選挙の投開票日から1年目の日は、こうして、地震関連で質問の準備をする中で慌ただしく迎えました。夜遅くに当選が決まり、お祝いのクス玉が割れずに天井から落ちてきたのがテレビの中継で映し出されたことを、今でも苦笑とともに思い出しています。あれから1年。国会で発言の場を与えていただき、おかげさまで元気に活動してくることができました。これからも初心を忘れず着実に前進していきたいと考えています。 末筆になりましたが、知事選ではいろいろとご協力いただき、ありがとうございました。30万近くの皆さんからご支援いただきましたが、結果につなげることができませんでした。私の力不足をお詫び申し上げます。 次号は、民主党ネクスト男女共同参画担当副大臣としての活動などについて、ご報告したいと思っています。またお会いできる時を楽しみにしています。
第6号「新潟県知事選挙、名を汚さぬよう、正々堂々と闘います」(2004年10月14日発行)
************************************** 西村ちなみメールマガジン第6号(2004年10月14日発行) 「新潟県知事選挙、名を汚さぬよう、正々堂々と闘います」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村智奈美です。 昨日から臨時国会が始まりました。私は民主党の岡田新代表のもとでネクスト副大臣(男女共同参画担当)と役員室次長をつとめることになり、張りきっています。今後ともよろしくお願いいたします。 さて今国会では、「政治とカネ」をめぐって論戦がスタートしました。リクルート事件を超える疑惑とも言われる日歯連の自民党ヤミ献金・迂回献金問題について岡田代表が質問し、自民党総裁である小泉総理の責任を質しましたが、総理は「議員一人ひとりが襟を正していくことだ」と全くの他人事。これではいつまでたっても公正で透明な政治など実現できるはずがありません。政権に居座りつづけ、利権にしがみつき、いったいいつまで年金など国民生活の重要課題を店ざらしにするのでしょうか。 17日に投開票日を迎える今回の新潟県知事選挙は、こうした中央政治と同時並行的に行われています。私は、これからの時代に新潟県を良い方向へと大きく舵をきっていくため、たが秀敏さんの判断力・決断力・行動力がどうしても必要だと思い、新潟県の将来のために、全力で応援をしています。 対立候補は、5人いらっしゃるわけですけれども、実際のところは中央官僚出身の自民党公明党推薦候補との一騎打ち、ということになるでしょうか。彼のところへは自民党の大臣クラスの政治家がどんどん応援に来ているそうです。 こともあろうか、民主党の渡辺秀央参議院議員、森ゆうこ参議院議員、菊田真紀子衆議院議員までもがこの候補を支援しています。このことは、政権交代を訴えてきた民主党議員の一人として、有権者の皆さんに心からお詫びしたいと存じます。 いずれにしても、「これまでどおり中央に目を向けた自民党主導の新潟県の政治を続けていくのか、それとも県民一人ひとりの生活を守るための民主党の政治に切り替えていくのか」の構図がはっきりした知事選挙と言えるでしょう。 この選挙、いま全国が注目しています。たが候補陣営は、大県たる新潟県の知事を選ぶにふさわしい恥ずかしくない選挙を行おうと、正々堂々と闘っています。他方で、選挙戦を貶める誹謗中傷を行っている相手候補陣営。負けるわけにはいきません。 残り数日のたたかいは、運動量の多さと、ボランティアの熱気がまさるほうに勝利が訪れると思っています。幸いにもたが選挙事務所には連日多くのボランティアと学生が出入りし、活気にあふれています。皆さんもぜひ、たが事務所にお越しください。そして新潟の政治、おおきな石がごろりと動くその日を迎えましょう。私も力の限りがんばります。