************************************** 西村ちなみメールマガジン第106号(2006年11月20日発行) 「民主党の広報活動」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 先週は、タウンミーティングでのやらせ発言などの問題が解明されないまま、教育基本法政府案がとうとう与党単独で強行採決されました。国会は不正常な状態ですが、法案は参議院に送られ、すでに本会議での代表質問が行われています。いったい何のための、誰のための改正案なのか?私の疑問は深まるばかりです。国家の統制を強めるよりも、もっと大事なことはたくさんあるはずだと私は思うのですが。 さて、今週は、私が党務としてやっている仕事のひとつである、広報活動について書いてみたいと思います。民主党の広報活動は主として、「プレス民主」という広報誌(現在は月1回発行のものに加えて毎週国会報告版を作成)、ホームページ、ポスターなどを通じて行っています。このほかに政策パンフレットなどは、私が関わった「民主党の子育て支援プラン・未来世代応援政策」なども含めて多数発行されています。また選挙時にはテレビCMやラジオでのスポット、マニフェスト冊子(点字印刷版もあります)など、さまざまな媒体を通じて、民主党の政策のPRに努めています。 毎回、紙で発行される「プレス民主」の編集のために、限られた数のスタッフで頭を悩ませ、限られたスペースでどれだけの情報を盛り込むか、苦心に苦心を重ねています。書きたいことがたくさんあっても、ユニバーサルデザイン(誰にでも適合したデザイン)を追求すれば、弱視の方や高齢者に配慮して文字をあまり小さくすることもできません。また記事を入稿してから校正までの時間を考えると、「きょう、国会で審議されている法案について知っていただきたい」と思っても盛り込むことは難しくなってしまいます。 この点、ホームページはたいへん便利です。すばやくいろんな情報を載せることができ、しかも分量の制限をあまり気にしなくて良いからです。しかしだからといってどんな情報でも載せてよいか、といえば、そうではありません。見やすさ読みやすさを考えて、アクセスする側の視線に立ちつつ編集しなければならないからです。もちろんセキュリティの確保が必要であることは言うまでもありません。 プレス民主は、年3000円で購読していただけます。党員(年6000円)になっていただけると無料で送付されます。どうぞご購読いただき、民主党の今をぜひ知っていただきたいと思います。またホームページについても各方面からご意見いただいておりますが、一度アクセスしていただければ幸いです。党の広報委員会は、所属議員3名という少数部隊に再編成され、私が委員長代理となりました。これに伴い、プレス民主やホームページの見直しも行っていく予定ですので、ぜひご意見くださるようお願い申し上げます。
メールマガジン
第105号「教育特は今週が山場」(2006年11月13日発行)
************************************** 西村ちなみメールマガジン第105号(2006年11月13日発行) 「教育特は今週が山場」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 教育基本法は今週が衆議院での山場となりそうです。そもそも現行法でどこまで達成できたのか、新たな立法事実が何でどういう目的で何を改正しなければならないのか、基本法を改正して何が解決されるのか、まったく不明な改正案。質問に対する答弁は筋が通っておらず、私は政府改正案に反対です。小泉前総理に「改革」と名のつく看板はすべて先取りされてしまった安倍総理、もはや教育改革しか残っていないということなのでしょうか、この臨時国会で可決させたいという意気込みのようです。 審議過程も滅茶苦茶です。高等学校のみならず義務教育課程での未履修や、タウンミーティングでの「やらせ」発言など、教育の基本を議論する上ではとても看過できない問題が次々と明らかになってきました。新たな時代へ対応するため基本法を改正するというのが提案理由でしたので、それらをどう解決するかという処方箋が少なくとも基本法改正審議の中で示されなければなりません。しかし文部科学大臣の答弁は、それらの解明と対策は官邸直轄の教育再生会議で議論するということでした。文部科学省と官邸主導の再生会議、いったいどちらが優先されるのか?これも不明なままで文部科学大臣とやり取りを続けているのですが、何だか茶番に思えてなりません。 この間、特別委員会での議論や地方公聴会や参考人質疑や地域での意見交換を行いながら、やはり教育行政のあり方を変えなければ教育の質そのものが変わらないと考えるに至りました。参考人の方々が口をそろえて「学校は隠したがる」と公式の場で発言し、また長く教育現場におられた方が「文部科学省から問題発生を隠蔽しろという無言の圧力を感じる」とおっしゃった、その問題の深さは、もうどうにもならないところまできていると感じます。「開かれた学校」をキャッチフレーズで終わらせないために、問題を隠さず出し合い、専門家の知見と多くの人々の参画を得て、生き生きとした教育現場を作り出すために、まったなしで取り組まなければなりません。 今日は北海道と大分で地方公聴会が開催されています。私は先週、仙台と宇都宮に行きましたので、今日の地方公聴会は別の委員にお願いしました。明日からまた第1委員室で缶詰になります。余談ですが、この教育基本法特別委員会では、聞くに堪えない下品な野次が飛び交っています。もし子どもたちがそれを見たらどう思うだろうか。私にはちょっぴり不安です。
第104号「想像力と基本法」(2006年11月6日発行)
************************************** 西村ちなみメールマガジン第104号(2006年11月6日発行) 「想像力と基本法」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 今週も教育基本法特別委員会が連日開催されることになりそうです。国会周辺では連日連夜、その基本法改正について意思表示をされる方々のデモが行われています。東京はまだ新潟に比べると気温が高く、夜でも窓を開けていますが、シュプレヒコールの声で仕事や来客対応に支障が出るので窓を閉めざるを得ません。夕方はまだ良いのですが、昼間は窓を閉めると温室のようになりとても暑い。私の部屋は南向きです。そろそろ議員会館の建て替えが始まるので、騒音防止のために窓が2重になり、そのため風通しは一層悪くなりました。11月といえばセーターなど毛糸の欲しくなる季節ですが、ここ永田町衆議院第2議員会館404では、厚くて上着を脱がなければならないのです。 先月、環境大臣賞を受賞した新潟の「4万人のごみゼロプロジェクト」関係者数名が、その表彰式のため東京に来られ、議員会館にも立ち寄ってくださいました。「4万人のごみゼロプロジェクト」とは、アルビレックス新潟戦がビッグスワンで行われる度に大量に出るごみを何とか減らそうと、2003年秋から活動を始めた市民団体で、学生さんたちが強力なメンバーとなっています。その後、ビッグスワンでは使い捨てコップに換えて何度も洗って繰り返し使えるリユースコップが使用されるようになったり、ごみの分別もすすみ、ごみ排出量が減ってきているということです。 環境問題は、私たち人類の発想に大きな転換をもたらしました。環境問題が発生する以前は、大量生産、大量消費、大量廃棄を続けてきました。それで一部の人びとは豊かになることができたし、資源は無限と思えるほどありましたから、何の問題もなかったわけです。ところが、地球上の人口が増え、皆が豊かになりたいという欲をもとに行動した結果、いわゆる環境問題は発生しました。地球の温暖化が進めば地表の氷を溶かし、ゼロメートル地帯の新潟をすっぽりと水没させることになるでしょう。ゴミの廃棄業者が身勝手なゴミ投棄を行えば、自然環境の破壊と人間を含む動植物への脅威となりえます。私たちの命と、環境は、一体(運命共同体)である、という見方が必要になったのです。 基本法では前文で「われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない」と明記しています。ここから、「日本の教育の基本を確立する」ということにつながってきます。「私」から「地球社会」へという伸びやかなつながりと、「地球社会」の中での「私」というつながりの、二つの方向性が、目に見えるようです。 このところの教育基本法の議論の中では、自者と他者とをはっきりと区分した議論があまりに多いように感じています。上記のように、人類と環境はもはや運命共同体。環境が破壊されれば、そのときには人類もダメージを受けなければなりません。また核兵器の存在する地球上で、ひとたび核兵器が使用されれば、広範囲、長期間、高深度にわたって影響が及ぶことになります。同じような発想で、たとえば同じ社会に暮らしている他民族の人びとが不幸であれば私も不幸だというふうに考えることができるのではないでしょうか。同じ街に暮らしている障がい者にとって暮らしやすい街であれば私にとっても暮らしやすいというふうに考えることができるのではないでしょうか。 自分と他者がいかにつながっているかを考える想像力をもつことは、とても重要だと思います。しかし基本法を議論する国会議員の中に、それがあるかどうか。他者への信頼をあきらめ、自分の確立のみにこだわる教育が行われるとき、日本は国際社会の中で孤立してしまうことになるでしょう。基本法の議論の中に、想像力を注入することを最後まであきらめずにがんばりたいと思います。
第103号「女性参政60年」(2006年10月30日発行)
************************************** 西村ちなみメールマガジン第103号(2006年10月30日発行) 「女性参政60年」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 今週は教育基本法特別委員会一色になりそうです。月曜日は衆議院の委員会開催日となっていませんが特別委員会だけは例外で開催曜日は決まっていません。今日10時から5時まで質問が続けられましたが、前の国会と比べても議論が深まったとは思いませんでした。教育の問題は、いじめや未履修問題が最近また表出するなど、普段は隠れていて分かりにくい構造的な問題がたくさんあります。それらを一つ一つ明らかにし、どうしたら教育を良くすることができるのか、本質的な議論をしていきたいと願います。 さて皆さんは憲政記念館をご存じでしょうか。永田町には、国会議事堂、議員会館、国会図書館などの施設がありますが、1970年に議会開設80年を迎えたことを記念して「議会制民主主義について一般の認識を深めることを目的として」設立されたのが憲政記念館で、1972年に開館しました。常設では国会の組織や運営について、また憲政の歴史に関係ある資料などが展示されていますが、ときどき特別展が開催されます。 今月26日から来月17日までの日程で、「女性参政60年特別展」が開催されています。第1回目の衆議院総選挙で当選した女性議員は39人。昨年の総選挙では初めてこの数字を上回る43人の女性議員が当選しましたが、他のOECD諸国などと比べるまでもなく依然として女性議員の比率は低いままです。衆議院ではまだ9%にしかすぎません。 「女性議員を増やしたい。」これは、多くの女性たちの願いであり、また多様な視点から政策立案をすべきであるという時代の要請です。すでに北欧などでは閣僚の半数以上が女性だったこともありますし、女性の首脳が誕生している国もあります。そうした国々の中では、子育て支援などが充実し、合計特殊出生率の凋落に歯止めがかかっている国もあります。 しかし日本では国会も地方議会もなかなか女性議員は増えません。選挙に必要なのは「地盤、看板、鞄」だと言われてきた政治風土と、「男性が仕事、女性が家事」という性別によって役割を決めてきた価値観が背景にあると思います。しかし最近は女性でもやってみようと考える人も出てきていますが、いくつか壁を乗り越えなくてはなりません。そのための仕組みづくりも、女性たちの手によって行われています。もちろん男性も参加してくださっています。 アメリカでは民主党が民間の女性による選挙資金集めを行う非営利団体(1985年設立、本部ワシントンDC)「エミリーズ・リスト」を設立、女性候補者への経済的支援を行ってきました。団体の名前は、Early Money is Like Yeast の頭文字をとったもので、その意味は、早期の資金はパンを焼くときのイースト菌のように、ふくらます力があるということ。つまり、選挙戦の初期に資金不足で女性候補者が落選することのないよう支援しましょう、というものです。 日本でも、「ウィンウィン(Women In NewWorld,International Network)」がこれにならって活動しています。私も先の総選挙で推薦をいただきました。民主党では「WS基金(Waterand Seed:種と水)」を設置し、女性新人候補へのわずかですが支援も行っています。またローカルレベルでも、財政的支援はできませんが、女性の政治学習をすすめるための組織もたくさんあります。お隣の長野県で長く活動してきた「女性議員をふやすネットワーク『しなの』」は草分け的存在、新潟では「女性議員を増やそうネットワークにいがた」があります。 憲政記念館で特別展を見学していると、女性が参政権を得て政治に参画することの意味、そして意欲が改めて感じられます。また、これまで多くの先輩たちが行動して築き上げてくださったさまざまな権利や仕組みの上に、今の私たちが生活し活動できているのだということがひしひしと感じられます。そうした先輩方の多くはすでに幽冥世界を異にされておられますし、また現世界の進歩もめざましいものがありますが、先輩たちの志はしっかりと引き継がれていると思います。また引き継いでいかなければなりません。 新しい歴史の1ページを開くことができるよう、さらに決意をもって活動していきます。国会見学の折にぜひ憲政記念館へも観覧にお越しになってください。